ニューヨークメッツの守護神 エドウィン・ディアス選手
https://ja.wikipedia.org/wiki/エドウィン・ディアス
Twitterでメッツの守護神エドウィン・ディアス選手の登場がカッコ良すぎると話題になっていました。クローザーの登場シーンはどこの球団の選手も一際目立ちますがディアス選手のシーンは目を奪われます。
このディアス選手の球種データとして
■フォーシーム
- 最速 165.4km/h
- 平均 159.5km/h
- 空振り率 41.2%
■縦スライダー
- 平均 146.1km/h
- 空振り率 54.7%
を誇ります。昨年の被打率は.160、WHIPは0.84と正に圧巻のパフォーマンスと成績です。中でも注目したいのが空振り率。縦スラの54.7%もさることながらフォーシームの41.2%も驚異的です。今回はその空振りを奪える要因の一つでもあるディアス選手のVAAについて解説していきます。
そもそもVAAって何?
VAAとはヴァーティカル・アプローチ・アングルの略称で、投球がホームプレートを通過するときの角度のことです。通過する際に地面と水平ならばVAAは0°です。投手はマウンドの角度から投げ下ろすので基本的に角度はマイナスになり、フォーシームの場合は−4°から−7°の間になります。
このことからフォーシームなどの速球型の球種は地面と並行な0°の角度に近づけば近づくほどボールが浮き上がるライジングファストボールのような軌道になります。
ですのでVAAが0°に近づけば近づくほどバッターから空振りを奪いやすくなります。
VAAを0°に近づけるためには
- リリースの高さを下げること
- エクステンションの数値を高めること(打者に近い位置でリリースすること)
- コースの高めに向かって投げること
これらがあげられます。
ディアス選手のデータ
ディアス選手の投球フォームはサイドスローとスリーウォーターの中間くらいのやや低めのアームアングルです。そこから高めへのフォーシームを有効的に活用しており、エクステンションは7.3フィート(平均6.4フィート)リリース高さは4.8フィート(平均5.9フィート)と平均を大きく超えてきています。その結果フォーシームのVAAは−3.8°。加えて回転数は2346rpm・横変化は13.5インチというシュートライズ系で唸りを上げながらミットに突き刺さるようなボールになっています。
ちなみにNPB選手だと巨人の大勢選手がボールの軌道として近いと思われます。
身長が低くてもそれが長所となる場合も
低い位置から高めに投げることへの有効性がデータで確認できたかと思いますが、これはディアス選手のようなメジャーリーガーだけに当てはまるものではありません。ご覧になっている皆さんにも当てはまることなのです。
特に身長が低くて悩んでいる投手の方はパフォーマンスを上げながら、このVAAという項目を意識すると空振り率が上がる可能性があります。オーバースローで平均的なリリースになっているのであれば、トラッキングデータを元にスリークウォーター気味にしてVAAを並行に近づけるという試みもアリだと思います。
がむしゃらに頑張るのではなく、自分がどんなボールを投げているのか?をまず知ること。データを元に分析しながら自身のボールについて理解を深めていくことの重要性を認識してください。
ここまでご覧いただきましてありがとうございました。
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